犬のしつけ
3.基本のトレーニング
基本のトレーニングとは、「おすわり」「まて」「こい」「ふせ」の指示を守らせることです。犬がこれらの訓練をマスターできれば、飼い主は犬をよりコントロールしやすくなります。また、外でリードが外れてしまった場合や、人や他の犬と接触した時などに、起こりうる危険を回避することもできます。次の7ヶ条をよく守った上で、じっくりと教えていきましょう。
トレーニング7ヶ条
1.一度に1つのことを教える
1つの指示を反復して覚えさせます。マスターしないうちに次に進むと犬が混乱してしまいます。
2.言葉は統一する
「おすわり」「シット」など時によって違う言葉を使うと、犬は混乱します。飼い主の家族全員が同じ言葉を使いましょう。
3.ごほうびで誘導する。
最初は犬が好きなおやつやおもちゃを使って、誘導します。最終的にはそれらを使わなくても自然に動けるようになるのが目標です。
4.成功したら思いっきりほめる
できたその瞬間に、愛情を込めてほめ、犬の気分を良くしましょう。
後からほめても、犬はなぜほめられたのか、混乱してしまいます。
5.短時間で集中して行う
犬が飽きてしまわないように、子犬なら数分間、成犬なら15分までとトレーニング時間を区切ります。
6.最後は成功させてからやめる
犬が自信を付けたところで終えましょう。なかなか成功しない場合は、すでにできる他の指示を守らせ、ほめたところでトレーニングを終了します。
7.失敗しても叱らない
飼い主が叱ったり、イライラすると、犬は不安に陥ります。
根気良くじっくり犬と向かい合いましょう。体罰などはもってのほかです。
おすわり
「おすわり」の状態は、犬にとって落ち着ける体勢です。飛びかかろうとする時や興奮状態にある時、「おすわり」をさせて、落ち着かせることができます。
1.おやつやおもちゃを握った手を、絶っている犬の鼻先に持って行き、注意をひきつけます。
2.手を犬の頭上まで引き上げます。見上げる格好になった犬が自然に腰を下ろしたところで、「おすわり」と声をかけます。座ったらすぐにほめ、おやつやおもちゃをあげます。
ポイント
・なかなか腰を落とさない場合は、「おすわり」を言いながらおしりに手を軽く添えて座らせましょう。
・良く動き回る元気な犬の場合は、壁際や部屋の隅で行うと良いでしょう。
・できなくなっても、決して力づくで押さないようにしましょう。
まて
その場で、じっとしていなさいという指示です。開いたドアから飛び出そうとした時や、走る車など追いかけようとする時など、犬の動きを止めたいときに必要となってくる命令です。また、毎日の食事の時にも使います。
1.近い距離で向かい合い、「おすわり」をさせます。
2.「まて」と声をかけながら、飼い主が半歩ほど後ろに下がります。この時、手のひらを犬にかざします。
3.犬がそのままじっと動かずにいたら、「よし」と声をかけ、自由にさせます。そしてすぐにほめます。
1~3を繰り返し、できるようになったら、飼い主が後ろに下がる距離と、待たせる時間を少しずつ増やしていきます。できなくなったら距離と時間をまた戻して、もう一度やり直します。
ポイント
・犬が待たずに飼い主のところへ寄って来ても、構わないようにしましょう。
・根気良く「おすわり」「まて」を繰り返し、きちんと待てるようになったら、たくさんほめて相手をしましょう。
こい
呼んだらすぐに飼い主のところに来させる指示です。散歩中などにリードが外れてしまった時や、ドッグランで遊んでいる時に呼び寄せるのに使います。
1.犬から数歩離れたところに立ち、「おすわり」→「まて」をさせます。
2.「こい」と声をかけながら、おやつなどを鼻先に持って行き注目を引きます。
3.「こい」と声をかけながら、おやつを持った手をゆっくりと動かし、犬を飼い主の方へ引き寄せます。犬がやって来たらほめ、おやつを与えます。
1~3を繰り返し、距離を少しずつ伸ばしていきましょう。犬が好きなおやつやおもちゃを使い、「こい」ができたらたっぷりほめましょう。最終的にはおやつやおもちゃがなくても来るようにします。
ポイント
・飼い主のところへ来たらいいことがあると思わせることが大切です。
・「こい」の後に犬にとっていやなことがあると、次からは命令を聞かなくなる恐れがあります。
・また、神経質な犬には特にやさしく声をかけましょう。
ふせ
長い間、じっとさせたい時の指示です。病院での待ち時間などに役立ちます。
1.犬と向き合って立ち、「おすわり」をさせます。(飼い主は立っていても構いません)
2.おやつやおもちゃを持った手を犬の鼻先に持って行き、注意を引きます。「ふせ」と声をかけながら手を床のほうに下ろし、手前に引きます。犬は手につられて、前足を伸ばす格好になります。
3.「ふせ」の体勢になったところでほめて、おやつやおもちゃを与えます。
「ふせ」は、犬にとってはすぐに立ち上がれない無防備な体勢なので、警戒してなかなk覚えないこともあります。よく動き回る犬には、おやつやおもちゃを使って、飼い主の足の下をくぐらせ、「ふせ」の状態になったところで、ほめるという方法もあります。足の位置は、伏せないとくぐれない高さから始め、少しずつ上げていきます。
足の下をくぐれない怖がりの犬には、ホールドスチールの姿勢で教えます。犬の前足を軽く押さえたまま、飼い主の体を離します。「ふせ」と声をかけ、そのままじっとしていたらほめます。
ポイント
力づくで犬を犬を押さえつけないようにしましょう。
お手
飼い主の手に前足を乗せる動作です。これまでに挙げた他の指示とは違って、暮らしていく上で必要な命令ではありませんが、覚えておくとコミュニケーションの幅が広がります。
1.飼い主も座って向かい合い、「おすわり」させます。
2.片方の前足の後ろに手をそえると、犬は自然に足を上げるのでそのまま手の上に乗せます。
3.手の上に乗ったら、「お手」を声をかけ、ほめます。
なかなか出来ない時は、おやつを使います。元気な犬には、おやつを握った手を出し、ニオイを嗅がせます。犬はおやつを欲しがって、自ら前足を乗せてくるので「お手」と声をかけ、おやつをあげます。
人の手に足を乗せたがらない犬の場合は、開いた手のひらにおやつを置き、もう片方の手で犬の前足を持ち上げて乗せます。そのまま食べさせることで、手に対する抵抗感を減らします。

